胴部から口緑まで線文を施した後、四方型に成形し灰釉を薄く施し焼き締め調に焼き上げ雅味あふれる作品に仕上げている。
土灰釉が中性炎焼成で朽葉色に窯 変し、見込みにも灰が降る。高台径 は口径に対して広く、削り出し高台の 畳付も広く、高台内の削りは浅い。
円座風な畳付から鋭角に立ち上げ た車軸形の仕上げ。茶入の口造りに 似た技法が、緊張感を醸す。二カ所 の胴継ぎ有 り。飴釉の総掛け。
入念な作調の徳利。緑釉と粉引と 焼締で三区分し、線と鉄絵で菊花と 垣を配している。削り高台畳付に、 左巴と吉田家が用いた刻印有り。
高台脇に 渡久兵衛造行年八十一歳 と彫り込まれ、渡家四代久兵衛の宝暦期(1750年代)に焼かれた作当時の茶人よりの長命の陶工への注文茶盌であったと考えられる。
単純な球形ながら口縁の手指一本 分の絞込みが、豊かな形姿の感性を 高めている。軽妙な三足、鉄分の多 い土に化粧土の刷毛で、内釉無し。